アパート空室率の急伸

不動産調査のタス(東京都中央区)が5月31日に発表したレポートによると、

今年3月の木造、軽量鉄骨造りのアパートの空室率が

東京都内(23区)で、33・68%

千葉県が34.12%

そして、神奈川県が35.34%

という数字がでているそうです。

いずれも、過去5年間で最高値と記録したとのこと。

調査の元となるデータは、全国2179万3007戸(2015年時点)が登録するアットホーム不動産情報ネットワークの物件データです。

算出式は「募集戸数÷募集建物の総戸数」が基本です。

 

2016年6月6日号の週間「全国賃貸住宅新聞」の第一面に、

この数字が出ていました。

 

賃貸住宅の調査は、国土交通省のHPにもあります。

住宅着工統計のうち、第15表の都道府県別、工事別、利用関係別/戸数・件数、床面積を

手元のメモ帳に書き出して、調べてみました。

 20160809192103

実際のデータ元はここです。

 

 

東京都と国分寺市のデータを中心に、平成26年4月(2014)から

平成28年6月(2016)まで、

見比べてみました。

 

 平成26年(2014)4月から平成27年(2015)3月までの一年間で、

東京都で新設の貸家の戸数・件数が多かったのは、10月。

5,763でした。

この1年間での前年度比を比べると、

平成27年(2015)3月は、14.1%の増加率でした。(これが最高値)

平成26年(2014)1月は、29.8%の減少率でした。(これが最低値)

 

新設貸家の着工数に関して前年度比でみると、

減少している月が6ヵ月分あり、

増加している月が6ヵ月分でした。

1年の半分(50%)が上がって、半分(50%)が下がってるような状況だと分かりました。

 

平成27年(2015)4月から平成28年(2016)3月までの一年間で、

東京都で新設の貸家の戸数・件数が多かったのは、12月。

 6,108でした。

 

この1年間での前年度比を比べると、

 

平成28年(2016)3月は、26.0%の増加率でした。(これが最高値)

 

平成27年(2015)5月は、15.8%の減少率でした。(これが最低値)

 

 

 

 新設貸家の着工数に関して前年度比でみると、

 

減少している月が2ヵ月分のみで、

 

増加している月が10ヵ月分でした。

 

1年の約83%が上がって、17%が下がってるような状況だと分かりました。

平成27年(2015)の6月から9ヶ月連続で、前年度比より着工数は増加しています。

 

そして、その勢いが止まらず、

平成28年4月から6月の着工数を見てみると、

先々月の6月は、6,811

過去最高の数字となっています。

そして、前年度比の増加率の最高値は、5月です。

6,283(平成28年2016年5月)

4,551(平成27年2015年5月)

比べてみると、38.1%の増加率となっているのです。

 

 

どうして、こんなに新築の貸家が増えたのでしょうか。

 

考えられる要因として、

 

金利が下がったこと。

土地さえあれば、銀行がお金を貸してくれること。

それよりも、もっと大きな原因としては、

相続税対策による建築ニーズの増加では、ないかと思います。

 

 

 平成27年1月に相続税が改正されました。

相続税が改正され、今までなら相続税対策をしてこなかった方々が、

新たに賃貸経営を始めようとしています。

 

国分寺市でみると、

平成27年(2015)4月から平成28年(2016)3月までの一年間で、

新設の貸家の戸数・件数が多かったのは、11月。

64でした。

平成28年4月から6月の着工数を見てみると、

先々月の6月は、66

過去最高の数字となっています。



 着工しているということは、新築物件が市場に大量に供給されるということです。

とすると、

既存の賃貸住宅への影響が出てくるのは避けられません。

少子高齢化で賃貸借り手市場が広がってないのに、住宅戸数が増えていく。

 

競争が今後、更に激化されることが予想されます。

築20年以上の物件は、もっと空室が増え、賃料が下げることになるかもしれないと思います。

 

管理会社として、今後どのように空室を埋めていくのかを、

じっくりと考え、家主様に提案することの必要性を改めて感じました。

 

百田 晶子

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