仲介手数料の無料のからくり

不動産の取引において、不動産会社を借りる時には、

借主は賃料の1ヶ月分を紹介してくれた不動産業者へ仲介手数料を支払う。

希望の物件を見つけ、賃料、諸条件の交渉をし、契約を終結した不動産業者に

支払うのが、仲介手数料だ。

 

つまり、仲介手数料とは、不動産屋に支払う成功報酬である。

仲介手数料をもらう上限は、法律によって決められており、

それ以下ならいくらでも金額は設定できる。

賃料の1ヶ月分と消費税が上限なので、借り手は契約時には1ヶ月分を請求されることになる。

 

不動産の取引では、貸主、借主に両方にメリットがある。

「希望の部屋が見つかった。

「貸したい部屋に入居者が見つかった。」

貸主、借主の間で交渉する不動産業者は、借主、貸主からそれぞれ仲介手数料を頂く決まりになっている。

 

しかし、過去からの慣習により、借主からしか仲介手数料を頂かないのが、今の賃貸市場のシステムだ。

家主側から基本的に不動産業者に仲介手数料を支払うことはない。

昭和40年代から50年代は不動産流通物件が少なかった。

家主を確保しなければ、仲介する商品が不足する。

当時の不動産業者として、手数料をなくても物件を取り扱いたかったから、

家主から手数料をなくても、借主から頂くことで商売が成り立った。

物件が少なかったので、借主も仲介手数料1ヶ月分を支払うことで、

物件が確保できるならば、何の問題もなく不動産仲介手数料を支払った。

その時期には、礼金という契約制度も出来上がった。

礼金とは、その名前の通り、借主が貸主に支払う「お礼のお金」のことである。

貸主にとっては、その礼金を不動産の改修費用に充てたり、将来の補修費用のために

利用したりする。

礼金制度は、日本固有の慣習で、長年不動産の取引には当たり前のように設定されていた。

 

どれも物件が少なく、貸主の方が力が強かった時代で出来上がった制度だ。

物件を貸してくださいと、頭を下げる弱い立場に借主がいた。

貸主は、借主を選び、賃料を上げ、強気の条件で不動産取引ができる状況であった。

物件が少ない時には、需要と供給の関係でそのような取引が成り立つ。

 

しかし、時代が変わった。

今やどこでも部屋が余っている。

空室がどこの物件でも目立つ。

どうしても物件に入居者を入れないと生活できない、ローンが支払えないという家主にとって、

入居者を決めてくれるなら、不動産業者に仲介手数料を支払うという家主が増えてきた。

 

仲介手数料は、借主から1ヶ月分頂く。

これが法律上の上限だ。

しかし、貸主がそれに上乗せして不動産業者に仲介手数料を支払う、やり方が出てきたのだ。

仲介手数料とは名乗れない。

それを、業界では「広告料」としている。

 

今や物件を募集するのは、インターネットだ。

インターネットに物件を掲載するのに、条件入力、写真撮り、物件紹介など、人件費が非常にかかる。

物件をより丁寧に、写真を美しく、こと細かく説明しなければ、借主がクリックしてくれない。

だから、不動産業者の仕事は、今はほぼ、パソコンに向かってる仕事だ。

インターネットで部屋探しをする人に向けてのメッセージを毎日更新しなければ、

見向きもされない。

 

広告料は、法律的にはグレーゾーンだ。

しかし、不動産業者がこの広告料があるからこそ、

借主から仲介手数料を頂かない、つまり、不動産仲介手数料の無料化ができるのだ。

 

広告料を頂けない家主からは、今まで通り借主から仲介手数料を徴収しなければ、

商売できない。

 仲介手数料の徴収先が借主から、貸主に移行しただけだ。

この流れは加速していく。

広告料1ヶ月を支払っていた家主が、他との差別化のために、

広告料を2ヶ月支払うケースも増えてきている。

 

広告料が付いている物件は、

不動産業者にとっては、借主から1ヶ月分、家主から1ヶ月分頂ける美味しい仕事なのだ。

空き室が長期に続く家主にとっては、

入居者が決まれば、家賃の1ヶ月や2ヶ月は惜しくはないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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